今年の「病院初め」でした、昨日は。
(↑の画像は「白い巨塔」イメージ・笑)
普通〜に治療してCT撮って〜〜…ってつもりでしたが、さてCTって時になって目のことを思い出し。
「あのー。右目が歪むんですよね、視界」
と申し出たところ
造影剤入れてCT
にオーダー変更。
結果、
思いっきり脳に転移してました。
新年早々、やっぱりこういう展開かい?……フッ。
なんて言ってられたのもつかの間、
「脳の転移となるとウチだけじゃ診切れなくなってくるから、このまま脳外科に行ってネ」
「たぶんガンマナイフ(通常の放射線より強い量をズドンと照射する治療)でやれると思うから」
とか言われて。
おいおいハシゴかよ〜…調子いいから買い物して帰ろうと思ってたのに(泣)
程度に思いながら脳外科へ。
乳がんの手術法を決める時にやったガドリニウムを使ったMRIをやろうということになって、1日のうちで2回も造影剤入れて検査しました…。はーぁ。
採血も含めて、5回針刺されました。あ、足も入れたら6回だ。
血管ぶっ壊れてしまうってーの…
そんで、結果を聞いたら、なんともまぁ
悲惨な話で。
どこまでこのブログに書いていいものやら、見た人によっては引くと思います…
あまり心配させるようになっても嫌なので、一部強烈なところは割愛するとして…。
結論から言うと、ガンマナイフでは照射し切れないだけの腫瘍が2つバラッとあったこと。
加えて脳の、何とかって膜にも広がってるんじゃないか?っていう見解。
目がおかしくなったのも、「そりゃそうだ」的な腫瘍ちゃんがいるそうです。
◎ガンマナイフの適応サイズは2cm以下。
照射し切れないのを承知の上で、線量を通常よりも減らした状態で数回にわけて照射するか。
(通常は1回でドバッとやる)
残ってしまうリスクはあるので再発するだろうけど、当てた部分は焼き切れる。
◎…じゃあ外科的に手術して切除か?
でも、私の場合は胸膜やら肺やらの状況が状況(水溜まったまま)なので全身麻酔の手術にはもう耐えられない身体になっている。
ってことで、この選択肢はパスせざるを得ない。
(ていうか、この身体で今更脳ミソの手術なんてゴメンだわ…)
◎…じゃあ全脳照射か?
ほどほどに穏やかに、いわゆる普通の「放射線治療」ってやつ。照射する領域は広くなるので、髪の毛全滅。でも、そこに再発してももう2回目は当てられない。
…すみません。私、それは耐えられません。
先生からしたら、取るに足らないことかもしれないけれど、今の状況に加えて髪の毛が全部なくなってしまったら、自分が自分じゃいられなくなって、あとどれだけ生きられるかわからないのに外に気持ちが向かない毎日は嫌です。乳腺の方の治療も、今後はそこで判断して選択していくので理解してください。
と、ハッッッッッッッッキリ言いました。
(※今やっている青い点滴の治療は、たまたま第一選択すべきと言われたものが非脱毛性だったので私がリクエストしたものではありません)
ブログを読んでくださっている方の中でも、この考えをまったく理解できない方がいるかもしれません。
「髪の毛なんかで治療法選んでるの?信じられない!」って。
でも、「確かなこと」って、もう無いんですよ。治療においては。
今やっている治療は、脳の治療も全部含めて
効くかどうかわからない
100%ってことはあり得ない中で物事考えてやっていかなきゃならない。
ってことを、リスクだけ背負って苦しい思いをして、できる限りやっているわけです。
だって、再発する前も、してからも、先生の言う通りにこれだけ薬飲んで、言われた通りに治療もしてきたのに、
「なんでこんなところに転移するんだろう…」
「普通はこんなところに飛ばない(転移しない)なぁ」
って言われるんですよ。
(↑ 髪の毛云々言い出す前の時点の話です。)
そんな中で私が一番大切にしていきたいのは、今はもう
確かなことでしかありません。
治療はできる限りのラインまで頑張る。
そしてその合間に、大好きな人と過ごす「自分らしい」自分でいられる時間を一番大事にする。
↑ ここまで来たら、これしか、もうないんです。私の中の「100%」はこういうこと。
これがもし、「こっちを選べば100%治りますよ」なんて言われたら、そりゃー半年や1年髪の毛が無かろうが吐き続けようが寝たきりだろうが耐え抜きますよ。
でも、そうじゃないんです。
一番の願いだった「子供を産むこと」をあきらめ、社会復帰をあきらめ、このままじゃ旦那ちゃんと暮らしていくことすらあきらめなくてはならなくなります。
私、旦那ちゃんと結婚して、当然その時はもう子供を産めない身体になってて、毎日、1日たりとも思わない日はないくらい、子供が産めないこと、望むことすらできないことに悩み続けてます。
これはマジな話…。子供を連れた家族と座席が隣になったりすると、目の前のことに集中できないくらいドキドキして、いてもたってもいられなくなってしまうんです。こんなに苦しい思いは、また病気とは別次元ですネ…
そういういろいろな経緯もあって、これ以上、もうあきらめたくない。
誰が何と言おうと、髪の毛は死守します。
髪の毛は、私の元気の源だからです。
意地になってるとかじゃないの。冷静に考えても、私、髪の毛まで失ってしまったら本当に自分じゃいられなくなる。旦那ちゃんと一緒にいても、髪の毛のことばかり考えてしまう。
初発の治療で帽子をかぶりながら街を歩いた時の気持ち。夜、毎日泣いてたこと。病気に対して泣いたんじゃなくて、髪の毛がないことに泣いていました。
ママから、「あんなに元気のないまゆは初めて見た。早く生えてくれればいいのにって思ってた」と言われました。そして、耐えに耐えてやっと髪の毛が生え揃い、ちょっと前髪は薄かったけれどなんとか縮毛矯正をかけられるくらいまでになった時、美容室から帰った私の髪の毛を見て、「よし、これで復活したな!?」と、一緒になってすごく喜んでくれました。
そして、ママが亡くなった時。
自宅葬儀だったので、家の中に布団を敷いて、納棺しました。
その時、ママの大好きだったレストローズのカットソーにスカートを履かせ、私がママの使っていた化粧品で化粧をしました。
そしたら、そこには生前と何も変わらないママがいたんです。
でも、私が思ったのは
「私も死ぬ時は絶対に髪の毛が無きゃダメだ」
ということでした。
最後に大切な人たちに会う時は、元気に生きてた時と同じ私でありたい。
そのくらい、ワガママだとは思いません。
──それだけ、私にとって髪の毛は大事なんです。
価値観は人それぞれだってことを理解していただいた上で、この記事を読んでほしいなと思います。
医療者側の提示する治療法を言われた通りにこなした上で成り立つQOLじゃなくて、
自分は「ここまでなら頑張れる!」と決めたラインまで頑張る。じゃあどんな治療法があるかな?と治療方針を話し合いながらQOLを尊重していくやり方
後者のような考え方があっても、今の時代、私はいいと思ってます。
(※前者の考えを否定した表現では決してありませんので誤解なきようお願いします)
ただしただ無謀に「ま、いいや」とか「それでいいよもう」的なんじゃなくて、じーっくり悩んで考えて、勉強した上で、「ここまでなら出来る!」と決めるんです。そこが大事。
今の私にとってそのラインは、髪の毛なんです。
一番最初は「子供が望めるように」。そして「再発しないために」。
→髪の毛が抜けても、最高の組み合わせで何でも治療しました。
ところが再発してしまった時…
「仕事(活動)優先で、動き回れるように」
→今が最後かもしれない、と常に思いながら1つ1つの出来事を必死にこなしていきたい。
でも、ホルモン治療を強化しないとそれが叶わない。じゃあ、「子供はあきらめます」。
太って見た目が悪くなっても、治療をこなしました。
──と、読んでいただけるとわかるように、これまでこうしてラインを決めてやってきたのも同様なことです。それが髪の毛だっていいじゃない。
今になって突拍子もないこと言い出したんではなく、私は最初っからそうやってきたんです。
旦那ちゃんも、パパも、親族のみんなも、私の考えには納得してくれています。
だから、何も心配することはないんですけれどネ。
ちょっと熱くなって書いてしまいました。
ちなみに誤解のないように書き添えておきますが、
全脳照射に関しては、先生自身も特にオススメしていたわけではなく、
ガンマナイフにしても全脳照射にしてもいずれもリスクはあるし再発もする前提だから、あとは本人の気持ちがどっちか…っていう感じでした。
そんなわけで、来週の半ばに2泊3日で1回目のガンマナイフ治療に行ってきます。
頭に釘を射すとかいろいろ痛そうなことを言われましたが、他のみんなも同じことやってるんだから別にいいです。やるしかないなら、私はやります。
撮影中の旦那ちゃんには、病院の日は結果とか、細々とメールで連絡を入れています。
でも昨日はいっぺんに伝え切れない内容だったのもあって、0時頃に帰ってきた彼と今後の話をしました。
お正月とか、その前からもずっとそういう話してばっかりなんだけどネ(苦笑)
彼の存在があるだけで、私の中ではもう十分。
平気、平気、大丈夫なんて言ってたかと思えば超ナーバスになって、泣いたりわめいたりするかもしれない。何度も同じ話をして泣くかもしれない。死ぬ話ばっかりするかもしれない。けど許してね。
でも、私ちゃんとやるから…
私からは、そう言うしかありませんでした。
だけど、その後はこないだ交換したクリスマスプレゼントの話で盛り上がったり、そんな楽しい話に花が咲きました。
やっぱり彼と話をしても、一緒にいても、何をしていても私は楽しい。
これも、「確かなこと」です。だから、生きている限りずっと大事にします。
次から次へと、一難去らぬうちにまた一難が重なってきますが、もう私もこういう時期なのでしょう。
これも現実です。
でも、身体は普通に動いているし、ガンマナイフ後も日常生活に制限はありません。
なので、できる限りのことをできるうちにしたい。
これが、私の「確かな」気持ちです。